【観光施設の人材育成について思うことです】


多くの観光施設で・・・


「即戦力を採用したい!」

「あの人なら即戦力になるはずだ!」

「今必要なのは即戦力としての人材!」


そんな言葉を聞くことがあります。


即戦力・・・即戦力・・・


でも私は、即戦力とはかけ離れた人でした。

とにかく身に付けるのに時間がかかる人間だったのです。



就職して観光業の仕事に入った時、

同期で入社した中で一番物覚えが悪くて、

失敗ばかりしていたのが私です。


レストランに配属されて、

注文の取り方を習いますが、

いざお客様の前に出ると緊張してしまって、

決められたように注文を取ることができません。


売店に配属されて、

レジの操作方法や、売上の集計方法を教わりますが、

それもミスが多くてなかなかマスターできませんでした。


営業活動に出てもそうです。

要領が悪くて、営業先の玄関口でウロウロしていて、

「何ですか?何かご用?」なんて、

従業員さんから不審に思われたこともあります。


施設に1人で泊る宿直勤務もあったのですが、

緊急時(警報)の対応マニュアルを習っていたのに、

ちゃんと対応できなくて大失敗したこともあります。



思い返してみると・・・


子供の頃から、そうだったように思います。


なんでも覚えるのに時間がかかって、

まわりの人たちがとっくにできるようになっているのに、

自分だけついていけずに・・・


そんな私のような人がいるかと思えば、

なんでも器用にこなせる人もいます。


そんな人をうらやましいと思ったこともあります。


特に仕事においては、

覚えがよくて、器用に対応できて、

仕事のスピードが早い人は、評価されます。


まさに会社が期待する“即戦力”ですから。



でも、いつしか自分の考え方が変わりました。


『人は誰でも、努力すれば、成長できる』

ということを身を持って体験し、


“最初は何もできない部下の人たち”を

教育し、指導することで、成長へと導く経験を積んだからです。


どんなに不器用なタイプでも、

物覚えが悪くてミスをしてしまう人でも、

スローペースで仕事が遅い人でも、


自らの意志と行動で、努力を重ね、

そこに教育者(指導者)からの応援があれば、

必ず成長し、次のステージへと進むことができます。


何事も、一歩一歩、あせらずに、

ただし、しっかりとした意志(熱意)を持って、

着実に階段を上がっていきましょう。


あのスティーブ・ジョブズ氏(アップル創業者)も、

こんな言葉を残しています。


『即戦力になるような人材なんて存在しない。だから育てるんだ。』



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□■ 観光施設 今日の仕事のヒント 
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『即戦力を期待するより、教育指導による全人材の戦力化を目指す』


“仕事のヒント”にピンと来たら、まず行動!それが未来を創ります。

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★編集後記★
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自分がそうだったから、

私は今でも観光施設で働く“器用じゃない人”を

応援したくなります。


やろうと思うけどできない、

やらなきゃと思うけどうまくできない、

そんな人の気持ちがよくわかります。


そんな人たちは、

大抵、まじめに、がんばろうとは思っているんですね。

でもすぐには、結果が出せないということです。


コツコツやること、

継続して努力をすること、

そうすれば、道がひらけます。


2015.02.27発行号
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宮内直哉の『1分で読める 観光施設 仕事のヒント』  |Vol.602
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