【売れるメニューを考える時のポイントとは?】


クリスマスが近づいてくると、

チキン料理などをメインにした簡単なコース料理を提供していました。


そこは観光地のレストランでしたが、

洋食の店なので、12月に入ると店内の演出ディスプレイも

クリスマスムード一色に模様替えします。

それにあわせて、「期間限定クリスマスランチ」を発売するわけです。


ある年のこと、

調理長が苦労して新しいクリスマスメニューを開発しました。


スープ、オードブル、メインディッシュ、サラダ、デザート、ドリンク、

それぞれがいくつかの中から選べる

“組み合わせ自由”なコースメニューでした。


「“お客さんが自由に選べるバリエーション”がこんなにあれば、

きっと売れるに違いない!」

みんながそう思って期待していました。


ところが、思うように販売が伸びません。


メニューブックでは、大きな紙面スペースを割いて、

その“特別メニュー”をアピールしているのですが、

なかなかオーダー(注文)につながらないのです。


その状況の中で、ひとつわかってきたことがありました。


“自由に選べるバリエーション”の多さが、

かえってお客様を迷わせてしまって、

結局はオーダー(注文)につながっていないということです。


「スープは、この中から選べるってこと?」

「オードブルは、どれなの?あっ、ここから選ぶのね!」

「あら、ドリンクも付いてるの?」


そんな感じの声が、多くのお客様から聞かれたのです。


ひとつの原因は、メニューブック上でそのメニューを伝える

紙面デザイン、レイアウト、説明書きの問題もありましたが、

この時に思ったことは、


『“メニュー内容が選べる!”という価値で販促をはかるなら、

“わかりやすいこと”“伝わりやすいこと”が最優先に大切!』

ということです。



先日、子供を連れて大手ファーストフードの店へ行きました。


一番下の子が、「○○○セット」という

おまけ付きのメニューを頼みたいというので、

それを買うことにしたのですが・・・


バリエーションと組み合わせが多くて、

どれとどれがセットで付いているのか、

パッと見てもよく理解できないのです。


「じゃあ、ハンバーガーはこれで・・・」

「えーと・・・あとポテトが付くの?えっ、サラダ?」

「ドリンクは、どこから選べるんですか!?」

と注文カウンターであせってしまいました。


“自由に選べる魅力的な商品(メニュー)”なのに、

その価値が、わかりやすく、ストレートに伝わらないのは、

もったいないことなのではないでしょうか。



先週の木曜日、東京の丸の内に新店舗をオープンし、

メディア報道などで話題に上がっている飲食店があります。

「鹿屋アスリート食堂」さんといいます。


その名の通り、

「スポーツ栄養学」に基づいた健康に良いメニューを提供するという

新しい発想のお店です。(産学官提携プロジェクト)


とてもおもしろいコンセプトのお店なので、

時間のある方は、チェックして欲しいと思いますが、


今日のメルマガのテーマと関連すると、

『選べるメニューのわかりやすい提案スタイル』が

とても参考になります。


『一汁一飯三主菜の定食(税込970円)』というメニュー提案です。


1.主菜=15種類から、おかず3品を自由に組み合わせて選べる

   ↓

2.ご飯=アス米or白米で、分量は少なめから、超大盛りが選べる

   ↓

3.汁物=週替わり


シンプルですが、とても魅力的な定食なので、

一度ご覧になってみてください。


「スポーツ栄養学」というわけにはいかなくても、

観光施設の食堂でも「地元素材を活かした定食」などに

このようなメニュー提案ができるのではないかと思いました。
  ↓  ↓
http://bit.ly/1ySOAkX


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□■ 観光施設 今日の仕事のヒント 
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『選べる魅力、選べる価値を伝えるメニューは、わかりやすさが大切』


“仕事のヒント”にピンと来たら、まず行動!それが未来を創ります。

mpdf

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★編集後記★
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今日ご紹介したメニュー提案のかたちですが、

観光施設のバイキングに替わる企画としても考えられると思います。


バイキング提供となれば、

一般的には30種類以上ぐらいの品ぞろえが必要です。

そこまでの営業スタイルは、ちょっと難しい・・・


そうだとしたら、

メインの主菜を10種類程度から選べて、

組み合わせ自由の定食にすれば、


十分満足感のある“旬な地元食材の健康定食”が作れるのではないでしょうか。

ぜひ考えてみてくださいね。


2014.12.16発行号
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宮内直哉の『1分で読める 観光施設 仕事のヒント』  |Vol.558
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