【「こんなお客様に喜んでもらいたい!」とイメージできますか?】


「どんなお客様から、どんな評価をいただきたいのか?」

それを一歩踏み込んで考えてみることが大切です。


観光施設で言えば、

シニア男女、若い男女、家族連れ、女性グループなど、

すべてのお客様から良い評価をもらいたいと思っても、

それはなかなか難しいことだと思います。


それは、なぜか?


ひとことで言えば、

客層(性別、年齢、メンバー構成など)によって、

「求めるもの」、「期待するもの」が違うからです。


つまり「評価ポイント」が異なるということです。


「お客様は、どこを見ているのか?」、

「お客様は、何を重視しているのか?」

という「評価ポイント」に違いがあるわけですから、


全てのお客様から等しく高い評価を得ることが、

難しいことだということになりますね。



もちろん、「基本的な評価ポイント」というものはあります。


「安全な施設かどうか?」

「信頼できる施設かどうか?」

「清掃された施設かどうか?」

「接客の品質はどうか?」など、


多くのお客様(客層)に、

合格をもらえる一定のラインがあると思います。

そしてその合格ラインは、

大半の観光施設がクリアしているわけです。



つまり、必要なことは、

自施設(店舗)が「最重要ターゲットと位置づけるお客様(客層)」から、

「最も多くの良い評価」をもらえるように、

改革、改善に取り組むことです。


そのためには、3つのポイントがあります。


1.ターゲットとする顧客(客層)からの評価を集める(注目する)

→アンケートや現場でのヒアリング、観察などを強化します


2.集まった評価の中で、すでに高い評価を得ている点を抽出し、強化する

→強みを更に磨き、更なる評価アップを目指します


3.その評価されている点(強み)を広報宣伝の主軸とする

→特定ターゲット顧客に対して、徹底して価値や魅力を伝えます



もちろん、

主要なターゲット顧客以外は、どうでも良いのか!?

と言えば、そういうことではありません。


前述したように、

基本的に合格ラインの評価をいただける施設運営をしているのであれば、

集客と業績アップのために、


『しっかりターゲットを定め、そのお客様からの評価アップを目指す』

という取り組みが必要だということです。


それが、他施設との差別化であり、

地域内で優位なポジションを築き上げていくためのステップです。



「オリコン顧客満足度ランキング『旅行会社(海外旅行)』」

という調査結果が発表されました。


過去1年以内に旅行会社の窓口で海外旅行を申し込んだ

18歳以上の男女1973人を対象に調査が行われたものです。


その結果・・・


顧客満足度の総合評価1位は、

「近畿日本ツーリスト」となっていました。


2位:JTB、3位:日本旅行、

4位:HIS、5位:阪急交通社と続きます。


この調査結果の中で興味深いのは、

総合評価では、近畿日本ツーリストが1位でありながら、


詳細を見ると、

ターゲット(客層)ごとに、

評価が高い旅行会社が異なるという点です。


例えば、

近畿日本ツーリストは、40代からの評価で1位です。


JTBは、50代、60代からの評価で1位です。

阪急交通社は、30代で1位。

HISは、10代、20代からの評価が1位となっています。


つまり、

評価が高い客層(ターゲット)が、

各社で異なるわけですね。



さらに・・・


「評価が高い項目」も、各社に違いがあります。


総合評価1位の近畿日本ツーリストは、

「提携宿泊先の充実度」「予約・申込みのしやすさ」

「プランの充実度」「窓口スタッフの対応」

「支払い方法の豊富さ」「店舗の利便性」という6項目で1位です。


対して、総合評価2位のJTBは、

「会社の信頼性」「情報の提供力」「サポート力」の3項目が1位でした。


これが、お客様からの評価でわかる「自社の強み」なのだと思います。


その強みをさらに磨けば・・・

ということになりますね。



今日の事例は、観光施設の事例ではありませんが、

考え方(見方)は同じだと思います。


大事なことは、

『しっかりターゲットを定め、そのお客様からの評価アップを目指す』

という取り組みです。


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□■ 観光施設 今日の仕事のヒント 
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『ターゲット顧客の評価を知り、強みをつかみ、更に強化を行う』


“仕事のヒント”にピンと来たら、まず行動!それが未来を創ります。

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★編集後記★
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さて今日から2月です。

2月という1ヶ月間をどう過ごすか!?


それが3月後半からゴールデンウィークへと続く、

春の集客に大きく影響すると感じています。


そう考えると、

2月は、『28日間しかない大事な準備期間』

ということになりますね。


忙しい毎日と思いますが、

日々の施設運営とあわせて、

春の集客対策を着実に進めてまいりましょう。


2015.02.01発行号
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宮内直哉の『1分で読める 観光施設 仕事のヒント』  |Vol.577
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